仕事を振ると言う上司がダメな理由【元リクルート役員が解説!】
- yoshihisa togashi
- 8月3日
- 読了時間: 12分

マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員で弊社、株式会社エクスペリエンサー取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。
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【この記事(仕事を振ると言う上司がダメな理由)で書かれていること】
仕事を振ると言う上司がダメな理由

(ヒガキ)はい、よろしくお願いします。
(トミー)よろしくお願いします。
(ヒガキ)今日もあの過去動画、部下への仕事の振り方・任せ方という動画ですね。そもそも「振る」っていう言葉良くないよっていうところで、仕事っていうのは、部をマネジメントしている、例えば部長にお願いされていて、その部長が自分一人で出来るんだったら良いけれども、出来ないから、部のメンバーをやりくりして、一緒に部の成果を達成していきましょうということなので、部長とか課長とか、マネージャー層からは、メンバーに仕事をお願いしましょうと。
お願いしていく中で、放任放置はせずに、伴走して一緒に結果を出しに行くというところが大事っていうような仕事を振ると言う上司がダメな理由を解説する動画でした。今回ですね、そこにいただいたコメントからですね、ピックアップして深掘っていきたいという風に思います。
(トミー)はい。
(ヒガキ)はい、それでは一つ目ですね、
「協働するから、仕事を振り分けるで、仕事を振るんじゃないのですか?部下としては上司には仕事を振り分けることをお願いしてるんであって、振り分けられる仕事は当然にするもので、お願いされたくはないですが。」
というコメントをいただいてます。
(トミー)うん、これは何が問題ですか?
(ヒガキ)振り分けられる仕事は、部下は当然にするものだっていう風な考え方は、ちょっと怖い気がしてます。
(トミー)部下は仕事を待ってるってことですね、これね。
(ヒガキ)そうですね、待ってる。

(トミー)指示待ち族になってるっていうことが、ヒガキ君は問題じゃないですかと。
(ヒガキ)はい。
(トミー)でもトップダウンの会社はもう、こうなりますわな。決めるのは上の人、実行するのは下の人。だから待ってて、「はい、君これやってね」っていう風になってる。だから、振り分けられる仕事は当然にするものであって、「はい、お願いね」って言われたくないと。「お願いね」って言われたくないってのは、ちょっとよく分かんないですけどね。
(ヒガキ)もしかしたら上司の立場として言ってるんですかね。そもそも指示待ってて、役割を分担されるから、待ってますと。分担されるんだったら、ちゃんとそれやりなよっていう風なニュアンスのコメントなんですかね。
(トミー)だって、「お願いされたくはないですが」って書いてありません?
(ヒガキ)ってことは部下ですか。
(トミー)中間管理職かもしれませんけどね。なので、要はトップダウンの組織にいると、こういうような考えになるんじゃないですかって僕は思いますよ。
(ヒガキ)うん、うん、うん。
(トミー)割り振るでしょ。上からこうね、「これやってくれ」って来るんだから、それをじゃあ、誰にこれをやってって、これ誰やってって言って。でもそれは、言われた人はやるのが当然でしょ。でも、まあ部下の方からすると、「これお願いね」って言われたくないですって、ここの意味ちょっとよく分かんないですけど。
管理職が仕事を「振り分ける」のと「振る」のとでは意味が違う

(トミー)これは何が問題かっていうと、言葉の意味の問題かなと思うんですけどね。「仕事を振り分ける」っていう意味と「振る」っていうのは、ちょっとニュアンスが違うんですよね。
(ヒガキ)うん、うん、うん。
(トミー)この単位ごとに、これは誰にやってもらおうっていう。こういうことを「割り振る」って言うんだったら、それはおっしゃる通りなんですよ。「振る」って言うと、「はい」、「はい」、「はい、よろしく!」みたいな感じのニュアンスで「振る」ということを言ってるのであって、仕事をこうやってジョブに分けたものを、「はい、お願いします」、「はい、お願いします」って言うのは、気持ちが全然違うよねっていう。
動画で言いたかったことは、そういうことなんですけどね。言葉だけの「振る」っていうことだけで捉えたりすると、何で「割り振る」のはダメなんですか?「割り振る」のはダメじゃないですよ。ただそこに言葉として、お願いをしてるっていうニュアンスなのか、やれって言ってんだから、当たり前にやれよって言ってるのかっていうのは、これ、ずいぶん大きく分かれますよねっていうことなんですよ。

(トミー)僕が問題なのは、分かりませんけどって言ったんですけど、「お願いされたくはないですが」、こっちはお願いした方が良いんじゃないの。この人はお願いされたくはないよって言ってる。そこのニュアンスが伝わってないのかなと思うんで、ここで突っ込んだ方が良いかなと思ってピックアップをしました。
(ヒガキ)うん、うん、なるほど。上司側として仕事をお願いしたり、割り振ったりする上で、お願いするって考えた方が伴走をするとか、そういったところへの、その次のステップに繋がりやすいと思って、振るって言ってしまうと放置・放任になってしまうので⋯
(トミー)私の感覚からするとですよ。経営からすると、この業績をこれだけ上げたいとかね、これを実現したいみたいな、ビジョンに近いね、ありたい姿に近いようなことがあって、でも数字は数字でやらなければいけないことがありますから、これをしたいっていう風に自分が思ってることをやるのが、自分一人では出来ないわけですよ。だから、頼むからこれやってよっていう感覚なわけよ。
(ヒガキ)あ、なるほど。

(トミー)「お願いします」、「もうやってください」みたいな。「そんなお願いされましても」みたいな、「いやいや、そういうこと言うなよ」っていう、こういう感覚なんで、もう「頑張って」、「頼むから」、「やって」、「お願い」ってこういう感じなの。
(ヒガキ)なるほど。
(トミー)振るとかさ、そんなの当たり前だろっていう。「当たり前だろ」でもなくて、「お願いだからやってよ」って。
(ヒガキ)確かに、そうですね。
(トミー)この感覚の違いなんだけどね。
(ヒガキ)「振る」の中には、当たり前のようにやってっていうこのレベル感でリターン返してみたいな、なんか背伸び感がないですね。
(トミー)背伸び感、まあね、背伸び感って言ってんのは、仕事っていうのは100%で出来ることを与えてても何も成長しませんと。
(ヒガキ)はい。
(トミー)110%の仕事をお願いするから、この10%は頑張ろうと思って伸びるんですっていう、そういうことですね。
(ヒガキ)そうですね。

(トミー)そういうニュアンスもあるんだけど、こちら側としては、とにかくこれを実現したい、しなければマズいとかね、何が何でもしたいんだ。もしくはこうあったら良いなってことをやりたいわけですよ。でも自分ひとりでは出来ないんで、誰かにお願いしてやってってもらわないと。だから「お願い」って思ってるわけであって。君はこれをやるのが当たり前だって言ってる人との考え方の違いでしょうね、そこは。
(ヒガキ)うん、うん。
(トミー)当たり前なんじゃないの?多分。
(ヒガキ)そうですね。
(トミー)振るって言ってる人、中間管理職の場合は、振るっていうのは、自分がやんないから、「もう後、はい、君たちよろしく」って言って、振ってしまって、自分はもう何もしないで、給料だけもらってるみたいなね。そんなようなことをイメージしてる人もいるかもしれないですね。
(ヒガキ)うん、そうですね。
(トミー)上司のことを見てね、君(ヒガキ)の場合は自分でやり過ぎてしまって、人に任せないっていうね、そっちの方の課題。色んな会社、色んな人がいるんで、両方のタイプがいるわけですよ。人にだけ押し付けておいて、自分何もしないで、「出来たか?」ってことだけ言う。で、うまくいかないと、こいつが出来ないのが問題ですみたいなことを、上に適当に言うみたいなさ。
そういう人を見てると、「振る」っていうことになるだろうし。でもそれが当たり前の組織に言うと、それが当たり前じゃないですか。仕事を役割分担で振り分ける。振り分けるのは振り分けるんです、確かに。でもその時にそれはやるのが当たり前だからちゃんとやれよっていう感じの色が強いのが、ここで言う「振る」であって⋯
(ヒガキ)うん。

(トミー)お願いだから、ちょっと何とか頼むから、この数字やってちょうだいよって思ってると、「振る」という感覚には全くならないね。そういうこと言いたいです。
(ヒガキ)はい、ありがとうございます。はい、次のコメントですね。
管理職経験のない部下としては、上司がこのような考え方だとありがたいなと思いました。使う言葉を選ぶというのはとても大切だと思います。心象が変わりますし、部下のモチベーションや、恐らく自分自身の思考も、どんな言葉を用いるかで変わりますよね。
(トミー)まあ、もう、こういうコメントをね、書かれる人っていうのは本当に素晴らしい人だと思いますよ。まさにおっしゃる通りですね。管理職の経験のない部下としてはっていう、こういう人は良いマネージャーになれるんじゃないかなと思ってですね。あっぱれっていう風に押したい気分ですね。はい。
(ヒガキ)いや、本当素晴らしいですね。

(トミー)言葉はやっぱ大事ですよ。「振る」っていう言葉一つにしても、裏っ側にある感情、それが出てくるっていうね。さっき言った、「割り振る」だったら「割り振る」って言えば良いですよ。「割り振ったからお願いね」って言えば良いでしょっていう。そういうことだと思いますね。
(ヒガキ)はい。 実体験で「振る」っていう言葉の話から学んだことは1個あって、なぜ?なぜ?を繰り返して、原因を追究する時に、「なんで」って言葉使ってたんですよ。そうすると僕の思考が「なんで〇〇出来ないんだろう?」とかなっちゃって、僕は「なんで?」って言うと、ネガティブな言葉に変わるんで、「なぜ?」に変えたら、ポジティブに話せるようになったってのはひとつ体験としてあった⋯
(トミー)「どうして?」って言うかもしれない。
(ヒガキ)そうですね、「どうして?」とか、自分がネガティブなことを引き寄せやすい言葉とかがあるので、そういうのをこう、意識出来るようなきっかけになったので、本当にこのコメントの考え方っていうか、すごく刺さったものでした。コメントありがとうございました。
続きまして、
「少しだけ違和感。部に与えられた仕事は部長の仕事でも部員の仕事でもなく部の仕事、課に与えられた仕事は課長の仕事でも課員の仕事でもなく課の仕事、という認識は管理職もメンバーも共通して持つべきだし、企業は全員にこのことを口酸っぱく教育すべきだと思うのですが⋯その思考、思想が徹底していれば、そもそも不要な議論じゃないかね。もちろん、徹底されてないことが多いのが現実だろうが、その原因は管理職じゃなく企業の思想教育な気がする」
とのことです。

(トミー)で、どうすれば良いんでしょうね?そういうような思想教育をすると、どういう結果になるんでしょうね。
(ヒガキ)そうですね。
(トミー)仮に思想教育をしたとしましょう。
(ヒガキ)はい。
(トミー)で、みんなは、じゃあ部の仕事は、部全体の仕事ですねっていう風に思ってると、どうだって言うんですか?「お願いする」と「振る」。はい、やってねっていうことの違いは、ちょっとこれは何が言いたいのかなって気がするんですけどね。
(ヒガキ)そうですね。チームに課された仕事を、みんなでやるっていうのが徹底出来れば、浮き球であったりとか、売り上げが不足してる時に、フォローするみたいなのが、こう自発的に生まれるみたいなことを⋯
(トミー)違うと思いますね。そういう考え方もあるのかもしれないけど、企業の思想教育っていう部分で言うとね、具体的な社名を言うのもなんですけど、例えば出光興産という会社があって、家族主義の会社なんですよ。会社の面接に行った時に、人事の人からも含めて、うちの会社ってのはこういう会社ですと。社員は家族と同じようなものだと思って扱うんですと。

(トミー)だから、家族は同じところに住むのが当たり前だから、全員社宅に、独身の人でも入ってもらいますみたいなね。そういう風に言われると、そういう思想の会社だっていうのが解るから、その中でもう家族、一体感を持ってやりましょうみたいな、そういうことだと思うんですよね。
それと同じように、部の仕事っていうのはもう部の全員の仕事なんだから、部でやりましょうっていう風に言った方が良いんじゃないかって言うんですけど、そこの部分の否定はしないんだけど、その教育をいくらしたとしても、部の仕事だけど、割り当てられてる仕事はこれだけだから、これをやりますっていう風に思ってしまえば、結局、僕は一緒なんだと思いますよってことを言いたかったのと⋯
管理職は組織の責任者なので、組織の役割は=自分に任された役割である
あとは、部に与えられた仕事は、部長の仕事でも部員の仕事でもなく、部の仕事、じゃあ部の仕事って誰がやんのよ。そこの責任者は誰なんだよって言ったら、その仕事の任せられてる人ってのは部長なわけでしょ。だから部長が、本来は一人でやりゃ良いんだけど、出来ないから、そこにいる人たちに、仕事を分けて、お願いしてやってってもらうっていう。本来自分の仕事なんだから。

(トミー)自分の仕事だっていう風に、管理職が思うことが僕は大事だっていうことを言ったわけで、部の仕事で部長の仕事じゃないって言ったら、じゃあこれ誰が責任取って完結するんですかってことを、私はこの方を招いてですね、聞いてみたいなという風に思いますけど。
(ヒガキ)確かにそうですね。はい、というわけで、本日も3つですね、お話しいただきました。仕事の振り方っていうのは、自分の中では多分BEST1になるぐらいの動画だったので、思い入れありましたが、今日も深堀れて良かったと思います。
(トミー)はい。
(一同)本日もありがとうございました。
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